2023 FIM世界耐久選手権 ボルドール24時間耐久ロードレース 結果報告


2023ボルドール24時間耐久結果報告_JPN

予選


予選1回目は快晴の中、日差しの強い夕刻にドライコンディションで行われた。
まずはチームのエース、ランディ選手が1分53秒195というこのウィークでのチームの最速ラップを刻み、
グループ7位という結果を記録する。続く、渡辺選手の予選では決勝を見据えたレースタイヤでの走行となり終始、
マシンのセットアップに注力し1分54秒702を記録しグループ12位という結果に終わる。
1回目の予選、最後となるグレゴリー選手の予選では、序盤からリーダーボードの上位につける好走を見せ1分
53秒442を記録してグループ4位。EWCの予選はチームの上位2名の平均でグリットが決定するため、ランディ選
手とグレゴリー選手のタイムのアベレージにより1分53秒318で暫定7位で1回目の予選を終える。

翌日の予選2回目では、思うように気温が上がらず想定していた路面温度まで上がらず、チームが用意していたタ
イヤコンパウンドとのマッチングが微妙に合わなかったためタイムアップには繋がらず、残念ながら3選手共に初日
のタイムを更新することは出来なかった。2日間の予選の結果、7番グリットから決勝レースに臨むこととなる。

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16日~17日 / 決勝レース 5位


16日、決勝日の朝に雨が降り、レーススタートまでには雨が止んだが、路面が濡れた状態でのスタートとなった。
チームはスタートライダーにグレゴリー選手を指名、路面が乾いていくような天候と路面コンディションだったため
インターミディエイトタイヤ(溝付きスリックタイヤ)を選択しレーススタートする。

7番グリットからスタートしたグレゴリー選手は1周目を10位で戻ってくる。上位勢にはレインタイヤを装着したチームが着けているがここから急速にペースが落ちていく。インターミディエイトタイヤを選択したグレゴリー選手は2周目には8位、6周目には6位、7周目には5位と順調に順位を上げていくものの、この127170-Fim-Ewc-Bol-Dor-Webike-KWT-Kawasaki-Franceあたりから急速に路面が乾いていき、後ろを走るスリックタイヤでスタートしたチームのペースが段々と上がっていく。19周目6位走行中にスリックタイヤに変更するためにピットインしランディ選手とライダーチェンジする。
12位でコースに復帰し、すぐにアクシデントのためセーフティーカーが入り、他のチームもタイヤ交換のためのピットイン等もありセーフティーカーが終わる頃には5位まで順位を上げる。そこから更にペースを上げていき37周目には2位に浮上する。ランディ選手のスティントは最終的に3位でピットインし、渡辺選手に交代となる。渡辺選手は安定したペースで周回を刻み4位でスティントを終える。その後もチームは安定したペースで4位から6位争いを繰り広げていく。

レース開始から7時間を経過したころ、駆動系トラブルが発生してしまい緊急ピットイン。ピットロードで作業しタイムロスを1分と最小に抑えるもののこのトラブルで単独6位となる。そこから更に粘り強い走りで順位を少しづつ確実に上げていき4位まで順位を回復する。しかし12時間を経過した頃、渡辺001194523Fim_Ewc_Bol_D_or_2023_Webike-SRC-Kawasaki-France選手のスティント中に再びトラブルが発生。今回はスロットル制御系のトラブルにより10分近いタイムロスとなってしまう。マシンを修復し、6位でコースに復帰する。そこから長い夜の時間を再び上位を目指し走行を重ねていく。しかし度重なるトラブルによるタイムロスの影響で上位陣との差は大きく、単独での6位走行の時間が続いていく。夜も明け、辺りは明るくなった、レース終了まで残り5時間を切った頃、ライバルチームの脱落により5位に浮上する。この時点で4位との差は6周、後ろとの差は3周と残り4時間をミスなく走り切り、現在の順位をキープして24時間を走り切るという戦いになっていく。

チームはそう思っていた次の瞬間、ランディ選手がコース上に出たオイルに足元をすくわれ転倒してしまう。ランディ選手に大きなダメージはなく、すぐにマシンを起こして修復のためピットに戻ってくる、スタッフの迅速な作業でマシン修復を施しコースに復帰する。このアクシデントでセーフティーカーが入ったことも功を奏し、転倒+修復で10分近いロスになったものの、周回数のロスは最小限に抑えることが出来たため、5位をキープしたまま戻ることが出来た。
コース復帰後、選手たちの安定した走りとスタッフたちの確実なピット作業で残り3時間を確実に走り切り5位でチェッカーを受けた。
今回のレースの結果を受けTeam Kawasaki Webike Trickstar最初のシーズンを年間ランキング6位で終えた。

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ランディー ドゥ プニエ 選手コメント


シーズン最後のレースだったからボルドールでは何としてでも表彰台を獲得したいと願っていたけど、マシントラブル、そして僕がレース終盤にコース上に出ていたオイルに乗って転倒してしまったりと不運が重なり、5位という残念な結果となってしまった。
でもチーム、ライダーのパフォーマンスは良かったと思うし、このウィークに僕らは再びたくさんの事を学ぶことができたから、それを今後のレースに活かしていくことが必要だと思っている。
今シーズン、新生チームとしてゼロからスタートし、毎戦がチームにとって初めての経験だったから色々大変ではあったけど、5位2回、8位1回、鈴鹿では12位と全てのレースを完走できたことがまずは重要なことで、表彰台を獲得するためには何が足りないのかも理解できた。
その足りていない要素を来シーズン取り入れることができれば、このチームで必ず表彰台を獲得できる自信があるよ。

今シーズン一度も表彰台に立つことができなかったけど、いつも僕らの事を応援してくれているカワサキファン、特にフランスと日本のファンには本当に感謝している。彼らのサポートがあるから僕らはカワサキライダーとしてグリーンのマシンに誇りを持って乗っているし士気が上がるんだ。

応援してくれる皆のためにも、来シーズンにはチームがより成長し、表彰台のレギュラーメンバーにならなくてはね。

渡辺 一樹 選手コメント


EWC最終戦、今季最後のレースを無事に終えることが出来ました。
レース中はトラブルが多く、とても厳しいレースではあったんですけど、その中でもしっかり踏ん張って最終的に5位でチェッカーを受けました。
レース終盤にランディ選手がオイルに乗って転倒して体を痛めたのもあり、最後はグレゴリー選手と二人で回す形になったんですけど、無事に決勝レースを終えることができて良かったというのが今の印象です。
今シーズンはシーズンを通して表彰台に絡むようなレースができませんでしたし、正直悔しい気持ちはあるんですけど、耐久レースの難しさだったり、24時間のリズムっていうのを今年しっかり勉強することができたと思います。
レースを戦うパッケージも自分としては初めてトライするパッケージでのレースになったので、この後のライダーとしての器の部分も大きく出来たのでそれも今年良かった部分の一つかなと思います。
年間4戦のこのFIM EWCを無事に終えることができ、たくさんの方に応援していただき、本当に感謝しています。来季に向けて現段階ではどうなるか決まっていないのですが、変わらず応援していただければと思います。応援ありがとうございました。


グレゴリー・ルブラン 選手コメント


ボルドールは5位で終わってしまったけど、決勝中いくつかのトラブルが起きた事を考えればさほど悪くない結果だと思う。チームもライダーも諦めずに最後まで全力で戦ったからね。

スパ、ボルドールと2戦を5位で終えたことで僕らのマシンが安定したペースで走れる事を証明できたし、24時間という長いレース中、致命的なトラブルに見舞われることもなかった。
耐久レースは何が起こっても不思議ではない本当に難しいレースだから チームとして初めてのシーズンにチャンピオンシップを6位で終えたことはチームにとってもカワサキにとってもポジティブな結果だと思っているよ。もちろん僕らはもっと上を目指していたし、この結果に満足しているわけではないけど、皆が全力で戦った結果だから納得している。

シーズンオフの間に体制を強化し、来シーズンさらに強いチームとなって戻ってくるから楽しみにしていてほしい。シーズン中僕らの事を応援し続けてくれたファンの皆、たくさんの声援をありがとう。また来年皆とサーキットで会えるのを楽しみにしているよ。


鶴田竜二 チームマネージャー コメント


FIM世界耐久選手権 最終戦ボルドール24時間耐久レースを終えて、改めてレースの難しさを再認識させられました。

チームが得意としているポールリカールサーキットということもあり、レースウィークを通じての流れが良く、ライダーの調子、マシンのセッティング、更にはこれまで問題になっていた部分も克服することができ、24時間の決勝に向けてかなり手応えを感じた状態でレースに挑むことができました。

いざ決勝レースが始まると、万全の状態で挑んだはずだった私たちは、レース中にトラブルとアクシデントが5度起きるという波乱の展開となってしまいました。

レース序盤のトラブルを克服し、中盤までは3位を争うポジションでレースは出来ていたのですが、372ラップ目に起こった駆動系のトラブルが致命的なロスとなり、目指したポジションにたどり着く事は出来ませんでした。そしてレース終盤、コースに溢れたオイルに乗りランディ選手が転倒した時は本当に驚きました。

そんな厳しい状況の中でライダーとクルーはひと時も怯まず諦める事なくゴールを目指し戦ってくれ、5度のトラブルとアクシデントを乗り越えて5位で完走する事が出来ました。

またも目指した結果を残すことが出来ずとても残念に思います。
しかし、チーム設立から1年目のシリーズを戦っていく中でTeam KWTは確実に成長しました。
あとは結果をどう残すか、その為に何が必要でどのような準備をするか、今回のレースを糧とし近い将来必ず勝利を手に入れられるように取り組んで参ります。

今シーズンご支援頂いた各スポンサー様、各ライダーをはじめチームクルー及び各関係者の皆様、そしていつも熱い応援を頂いているファンの皆様、本当にありがとうございました。

 


【関連リンク】

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