【JARI 高速周回路】TRICK STAR 仕様H2 最高速度検証レポート
■ 開催地:茨城県 / 日本自動車研究所 城里テストセンター 高速周回路
■ 実施日:2021 年7 月11 日
■ 天候:くもり
2021 年7 月11 日、第2 回目となる超MAX SPEED 走行会を茨城県東茨城郡城里町に位置する「日本自動車研究所 城里テストセンター(JARI)」のテストコースの一つ、高速周回路にて開催いたしました。
イベントにご参加いただいた車両は概ね大型バイクでのご参加が多く、走行クラスも最高速度を目指すクラスを選ばれた方が大半を占めておりました。一般公道やサーキットとは違い、クローズドコースかつ管理された走行方法によって安全が確保されているので、時速200km が簡単に出るバイクでも安心してアクセルスロットルを全開にすることが可能です。
当日の天気は生憎の曇り空。雨も降るのではないかと危惧される中、イベント終了の昼まで天気が崩れることなく無事に終えることができました。
最高速度チャレンジ!挑戦するのは4 台のカワサキバイク
同日TRICK STAR の各持込車両の最高速度を検証。2020 ZX-10R、2021ZX-10R、2021 ZX-10RR、TRICK STAR 仕様Ninja H2 の4 台を持ち込み、高速周回路を全開走行いたしました。
計測にはQSTARZ GPS ラップタイマーを使用。トップブリッジにステーと本体を取り付け、GPS の信号を得やすいようにしました。メーター近くに配置することでライダーからも実測の情報を見やすくしています。
4 台の車両のうち、ZX-10R シリーズの3 台はフルノーマルでの計測を実施。まずは標準仕様でマシンの性能を探ります。
旧型ZX-10R は時速298km。新型になった2021 ZX-10R は時速292km、2021 ZX-10RR は時速301km/h を記録。
メーター上では時速299km が表示されていましたがGPS による実測では上記のような結果になりました。ファイナルギアがノーマルのため、時速300km を大きく上回ることはありませんでしたが、概ね300 に近い数値を記録いたしました。
TRICKSTAR のH2 の実測速度は!?
前回開催した超MAX SPEED 走行会の日にも同H2 で走行はいたしましたが、この時は実測を測ることはできませんでした。
【2021 年5 月3 日 Ninja H2 TRICKSTAR 仕様 最高速アタック映像】
今回はQSTARZ GPS ラップタイマーを装着することで実測を記録。走行映像は残念ながら残すことは叶いませんでしたが、GPS ログを記録することはできました。
最高速度は実に『 時速317km 』。
これは営業列車の新幹線の最高速度(時速320km)に近い速度だと言えます。ベース車両が公道使用のH2 であり、ファイナルギアがノーマルであるということから時速400km は望めませんでしたが、元のエンジンのポテンシャルの高さが伺えます。
さらに高速周回路のバンクを時速270km 程度で走っていても、このH2 に装着されているTRICK STAR のオリジナルスイングアームにより安定感を持って走ることができました。
このスイングアームは形状を純正の片持ちから両持ちにすることで剛性バランスを向上。重量も純正に比べ約3.7kg 軽量化したことによりバネ下重量を軽減しており、乗り心地やハンドリングに大きく貢献します。
リアに使用するホイールもスイングアームの変更に伴い、ZX-10RR 専用マルケジーニ社製アルミ鍛造ホイールを装着し、スイングアームと共に車両に安定感をもたらしています。
総括
今回のH2 の最高速度チャレンジは時速317km という結果に終わりました。
しかしながら、より高い速度を出すためにはより高い安定感を車両が持っていることが必要です。セダンやクーペ等の自動車は時速100km で走行している時、約60kg のリフトフォース(揚力)が働くとされており、速度が上がれば上がるほどタイヤが地面を押し付ける力は小さくなります。
近年のスーパーバイクにもウイングがついている通り、ダウンフォース(負の揚力)によるタイヤの接地感向上は避けて通れない道になっています。
もちろんダウンフォースの増加やタイヤのグリップ力向上といったチューニングには抵抗がつきもの。最高速度を目指すうえではエンジンのピークパワーと車両を安定させるチューニングのバランスが肝となってきます。
TRICK STAR はこれからも、皆様がアッと驚くような活動を続けていきます。これからも世界一を目指すTRICK STAR の活躍から目を離さずご覧ください。