2026 FIM ENDURANCE WORLD CHAMPIONSHIPスパ8時間耐久ロードレース 結果報告
投稿日:2026年06月09日

5日/予選
開幕戦ル・マン24時間耐久ロードレースで3位表彰台を獲得したTeam KWTは、その勢いを持ち込み第2戦スパ8時間耐久へ臨む。
レースウィークに行われたプライベートプラクティスでは、スパ特有の変わりやすい天候に見舞われた。
30分ごとに天候が変化するような難しいコンディションの中、チームはドライ・ウェット双方の路面状況を経験しながら多くの周回を重ね、セットアップの方向性を確認していった。
今季投入された新型マシンはル・マンでの実戦投入を経てさらに熟成が進み、高速コーナーが連続するスパ・フランコルシャンでも安定したフィーリングを確認。
昨年課題となっていた高速域でのパフォーマンス向上に向け、順調な滑り出しを見せた。
予選日朝のフリープラクティスでは、前日の走行データをもとに最終調整を実施。続く予選1回目では天候も回復し、ライダーたちはタイムアタックに適したコンディションの中でアタックを開始した。
ライダーブルーのロマン・ラモス選手は2分19秒945を記録しグループ4番手。安定したラップを重ねながら確実にタイムをまとめ上げた。
ライダーイエローのクリスチャン・ガマリノ選手は2分19秒753をマークしグループ4番手。チーム最速タイムを記録し、高速区間でも新型マシンのポテンシャルを示した。
ライダーレッドのグレゴリー・ルブラン選手も2分20秒042でグループ4番手を獲得。3名全員が各グループ4番手という安定した走りを披露した。
タイムは昨年の予選ベストを1秒以上上回るものであり、ライダー陣の熟成と新型マシンの進化を裏付ける結果となった。
続く予選2回目は、雨の影響を受ける難しいコンディションとなる。タイム更新を狙うには厳しい状況のため、チームは無理なアタックを避けながら決勝を見据えた確認走行とセットアップ作業を実施。
変わり続ける路面状況の中でも着実にデータを収集し、大きなトラブルなく予選日を終えた。
クリスチャン選手とロマン選手の合算タイムをもとに、Team KWTは総合5番グリッドを獲得。
決勝では上位進出を目指し、8時間の戦いへ挑む。



6 日/ 決勝レース
決勝日はスパ・フランコルシャン特有の変わりやすい天候となり、 刻々と変化する路面状況の中で8時間の戦いが幕を開けた。
スタートライダーを務めたロマン・ラモス選手は、 5番グリッドから好スタートを切ると、 序盤から上位陣と互角のペースで周回を重ね、 着実にポジションを上げていった。
Team KWTは燃費性能に優れており、 ライバル勢より多く周回を重ね、 一時は首位へ浮上する場面も見せた。
最初のピットストップは43秒と、 ピット作業でも安定した速さを見せ、
クリスチャンガマリノ選手へライダーチェンジ。
コースへ復帰したガマリノ選手はYARTとの激しい2位争いを展開。 スティント中盤には実際にYARTを攻略して2番手へ浮上し、 燃費面のアドバンテージも活かしながらトップグループの一角として存在感を示し、 チームの高い競争力を見せた。
続くグレゴリー・ルブラン選手は3番手でコースへ復帰し、 安定した走りで周回を重ねていく。
レース序盤から激しい争いとなるが、 トップグループをキープしながらレースを展開していく。
しかしレース中盤に入ると、 スパ・ウェザーがチームに試練を与える。小雨が降り始めたことで路面状況は刻々と変化し、 難しいタイヤ選択を迫られる。
4 回目のピットストップでは雨への対応としてタイヤ交換を実施。 続く5回目のピットストップでは路面の回復に合わせて再びスリックタイヤへ変更し、 3番手を維持しながらコンディションの変化に対応していく。
そしてレース開始から約5時間。 突然の雨に対応するためピットへ向かっていたガマリノ選手が、 転倒を喫する。
幸いライダーに怪我はなかったもののマシンは左側のセパレートハンドルを損傷。メカニックは迅速に修復作業を行い、 部品交換とウェットタイヤへの変更を短時間で完了させ、 グレゴリー選手が3番手のままコースへ復帰し、 表彰台争いへ踏みとどまった。
その後も天候は安定せず、 ウェットタイヤへ交換した直後に路面が乾き始めたことでスリックタイヤへ変更。 さらに20分後には再び雨が降り出し、 再度ウェットタイヤへ交換することとなる。
わずかな判断の違いが大きく結果を左右する難しいコンディションの中、 チームは状況を冷静に見極め対応を続けた。
度重なるタイヤ交換により貴重な時間を失いながらも、 チームは3番手を維持し表彰台圏内を守り続けた。
レース開始から7時間、 グレゴリー選手からロマン選手へマシンを託し、 レースは最後の1時間へと突入する。天気予報では今後の降雨が見込まれず、 路面も乾き始めていたことからチームはスリックタイヤを選択。
しかしこの時点で燃料はフィニッシュまで持たないことが明らかであり、 最後に給油を行う戦略を選択した。
そしてレース残り10分。 チームは最後の給油作業を行い、 ロマン選手は3番手でコースへ復帰し、 そのままチェッカーフラッグまでマシンを運び切った。
変わり続ける天候、 度重なるタイヤ選択、 そして転倒によるアクシデント。 数々の困難に直面しながらも、 ライダー、メカニック、 スタッフ全員が冷静に対応し続け、 8時間にわたる激闘を総合3位でフィニッシュ。
開幕戦ル・マン24時間耐久ロードレースに続く2戦連続表彰台を獲得し、 チャンピオンシップ争いにおいても重要なポイントを積み重ね、 次戦鈴鹿8時間耐久へ向けて大きな弾みとなる結果を手にした。



ロマンラモス選手コメント
とても嬉しいです。 本当に今回は嬉しいです。
スパ8時間耐久ロードレースで表彰台に上がることができたのは、 私たちにとって素晴らしい結果です。
決勝は天候が目まぐるしく変化し、 とても難しいレースになりました。
そのような厳しいコンディションの中で表彰台を獲得できたことを嬉しく思います。
また、 この結果はチャンピオンシップ争いにおいても非常に重要なものになりました。
僕たちはまだタイトル争いの中にいますし、 そのためにも価値のある表彰台だったと思います。
チーム、 チームメイト、 そして僕たちを支えてくれているすべての皆さんに感謝しています。
本当にありがとうございました。 次戦の鈴鹿8時間耐久ロードレースでも良い結果を目指していきます。
クリスチャン ガマリノ選手コメント
とても良い気持ちです。 正直なところ、 この表彰台は予想以上の結果でした。
スパ・フランコルシャンは、 これまで私たちにとって決して得意なサーキットではありませんでした。
しかし今年は、 チームが素晴らしい仕事をしてくれたおかげで、 マシンは大きく進化しました。
予選では高い競争力を発揮することができましたし、 特にドライコンディションのレースペースには自信を持つことができました。
この結果をとても嬉しく思っていますし、 この勢いを持って次戦の鈴鹿8時間耐久ロードレースへ向かうことができます。
新型ZX-10Rとともに、 鈴鹿でも素晴らしいレースができることを期待しています。
グレゴリー ルブラン選手コメント
正直、 とても嬉しいです。 チームにとって素晴らしいレースになりました。
私自身、 Kawasakiで8時間耐久レースの表彰台に立つのは今回が初めてです。
24 時間耐久レースでは15回以上表彰台を経験してきましたが、 8時間耐久レースではこれが初めての表彰台になります。
レースウィークの始まりに 『表彰台でフィニッシュできる』 と言われていたら、 それだけでも十分嬉しかったと思います。
それだけに、 今回の結果にはとても満足しています。チーム全員が素晴らしい仕事をしてくれました。
Kawasakiには大きく進化した素晴らしいマシンを用意してもらい、そのおかげで高い競争力を発揮することができました。
チーム、 Kawasaki、 そしてチームメイトたちに心から感謝しています。
優勝を目指して戦いましたが、 結果は3位でした。それでもル・マンに続く2戦連続表彰台を獲得することができ、 チームとして大きな自信に繋がっています。
次はいよいよ鈴鹿8時間耐久ロードレースです。 私たちは高いモチベーションを持って鈴鹿へ向かいます。
勝利を目指して戦う準備はできています。 鈴鹿でお会いしましょう。
鶴田竜二 チームマネージャー コメント
まず始めに、 ル・マン24時間耐久ロードレースに続き、 この厳しいスパ8時間耐久ロードレースでも3位表彰台を獲得し、 2戦連続で結果を残すことができたことを大変嬉しく思います。
チームを支えてくださるスポンサーの皆様、 そして温かい声援を送ってくださるファンの皆様に心より感謝申し上げます。
今回の大きな収穫は、 今年から導入した新型マシン 『New ZX-10R』 のポテンシャルを発揮しトップグループと正面から戦える競争力を示せたことです。
これはチームにとって大きな前進であり、 マシンの燃費性能や戦闘力を武器に、 一時は首位を走るなど、 自分たちが目指してきたレースを展開できるようになってきたことを実感しています。
レース中盤には突然の雨、 そして転倒というアクシデントもありましたが、 ライダーたちの力強い走りに加え、 メカニックによる迅速な修復作業、 そして度重なるタイヤ選択を的確に判断したスタッフの対応力が、 この表彰台獲得へと繋がりました。
チーム全員がそれぞれの役割を果たし、 一丸となって困難を乗り越えた価値ある3位だと思っています。
この結果によって、 マシン、 ライダー、 そしてチーム全体の成長を改めて確認することができました。
この勢いと手応えを携え、 次戦はいよいよ我々のホームレースである鈴鹿8時間耐久ロードレースに挑みます。
新型ZX-10Rとともに、 さらに進化したTeam Kawasaki Webike Trickstarの走りをお見せし、 次こそは表彰台の頂点を目指します。
引き続き熱い応援をよろしくお願いいたします。
Here is the English version of the race report⇩
2026 SPA FRANCORCHAMPS 8HRS RACE RESULT & REPORT













