2025 FIM世界耐久選手権 “コカ·コーラ” 鈴鹿8時間耐久ロードレース 第46回大会
1日/予選
FIM世界耐久選手権 第3戦 鈴鹿8時間耐久ロードレースに、Team Kawasaki Webike Trickstarはロマン・ラモス選手/マイク・ディ・メリオ選手/グレゴリー・ルブラン選手の3名体制で挑んだ。
前戦スパ8時間耐久で総合5位を獲得し、シリーズランキング2位につけている我々にとって、ここ鈴鹿はチャンピオンシップにおいて重要な一戦となる。
予選は2回に分けて実施され、1回目では各ライダーがアタックを実施、2回目は決勝を見据えたマシン調整に専念する構成で臨んだ。
午後12時から行われた予選1回目は、強い日差しの下、気温・路面温度ともに非常に高く、過酷なコンディションでの戦いとなった。セッション中には転倒も多く発生し、赤旗による中断が入るなど、波乱含みの予選となった。
【ライダーブルー|ロマン・ラモス選手】
前後ともに新品タイヤを装着し、2LAP目で2分06秒994を記録。
自己ベストタイムを更新し、グループ12番手でセッションを終えた。
【ライダーイエロー|マイク・ディ・メリオ選手】
リアタイヤを新品に変更し、2分07秒656をマーク。
続く3周目のアタックで赤旗中断に見舞われるも、再開後は前後ともに新品タイヤへ交換し再度アタック。
2分06秒851を記録し、自身の鈴鹿でのベストタイムを更新。ロマン選手と同じくグループ12番手で予選を終えた。
【ライダーレッド|グレゴリー・ルブラン選手】
マイク選手が使用したユーズドタイヤで決勝を戦うマシンの確認を行った。
2分08秒525と決勝ペースを想定したラップタイムで周回を重ねた。
ロマン選手とマイク選手の合算タイムにより、Kawasaki Webike Trickstarは13番グリッドから決勝レースへ挑むこととなった。
蒸し暑さと湿度が高まる鈴鹿での予選は、各ライダーが安定した走行を見せ、マシンの仕上がりも順調。
決勝では、さらなるポジションアップを目指し、チーム一丸となって戦いに臨む。
3日/ 決勝レース
気温は36度、 路面温度は最大で69度にも達し、 ライダー・マシン・チーム全員にとって過酷な8時間となった。
朝のウォームアップ走行では、 マイク選手が2分7秒403を記録し、 総合4番手を獲得。
決勝に向けてマシンの仕上がりを最終確認したチームは、 万全の体制でスタートを迎えた。
スターティングライダーを務めたマイク選手は、 13番グリッドから力強く飛び出し1 周目を9番手で通過。
その後はやや伸び悩む場面もあったが、 KWTが得意とする燃費走行を活かし、 28周というロングスティントを走破。
2 位でピットに戻る見事な走りで、 レースを勢いづけた。
続くスティントを担当したのはロマン選手。15 位でピットアウトし、 安定したペースで周回を重ねながら、 順位を着実に上げていく。
チームのリズムを支える冷静な走りで13位でグレゴリー選手へバトンを繋ぐ。
そして3スティント目、 グレゴリー選手の走行中に、 ポジションは13位から10位へと浮上。
しかし、 黄旗中の追い越しにより10秒のストップ&ゴーペナルティを受け、 ここで1分以上のタイムロス。
それでもチームは気持ちを切らすことなく立て直しを図り、 次のマイク選手のスティントでこのペナルティをしっかり消化。
淡々と任務をこなし、 再び戦列へ戻る。
午後を迎えても気温は下がらず、 体力的にも厳しさを増す中、 各ライダーは力強い走りを続ける。
終盤にはセーフティーカーが2度介入し、 燃費とタイミングの戦略的見極めが求められる難しい展開となったが、 KWTのマシンは燃費性能に優れ、 ギリギリの状況でも落ち着いて対応。
SC 解除のタイミングを見計らいながら、 ラストスティントへつなげた。
最後の走行を任されたのはロマン選手。灼熱のコンディションの中、 集中を切らすことなく8位でフィニッシュラインを駆け抜けた。
チームは総合8位で完走。 EWCレギュラーチーム内では3位となり、 貴重な13 ポイントを獲得。
この結果により、 シリーズランキングは現在3位。 トップとの差はわずか5ポイントまで詰まった。
昨年、 不運に見舞われたこの鈴鹿の舞台で、 3人のライダーがそれぞれの持ち味を存分に発揮し、 見事なリカバリーを果たした。
最終戦ボルドール24時間耐久へシリーズチャンピオンを懸けて挑む。
ロマン ラモス選手コメント
鈴鹿8耐はとても厳しいコンディションの中でのレースとなりましたが、
チーム全員で力を合わせ、 総合8位という結果を掴むことができました。
昨年の鈴鹿は自分にとって非常に苦しいレースで、 体調面でも走り切れず悔しい想いをしましたが、 今回はしっかりと完走し、 全力を尽くすことができてとても嬉しいです。
日本のファンの皆さん、 そしてチーム、 チームメイトに心から感謝しています。
日本のトップチームたちと競うことは決して簡単ではありませんが、 僕たちは本当に素晴らしい仕事ができたと思います。
この結果により、 EWCチャンピオンシップでは現在3位、 首位とはわずか5ポイント差となりました。
僕たちにもチャンピオン獲得の可能性があります。
この勢いのまま、 9月の最終戦ボルドールに向けて、 チーム一丸となって全力で挑みます。
引き続き応援よろしくお願いします!
マイク ディメリオ選手コメント
鈴鹿に戻ってこられて、 本当に嬉しかったです。
毎回ここで走るのは特別な体験で、 ファンの皆さんの熱量も素晴らしく感動しました。
ファンゾーンで直接声をかけてくれた皆さんにも心から感謝しています。
レースではチーム全員が全力を尽くし、 8位という結果でフィニッシュしました。
もっと上位を狙いたかったのが正直なところですが、 今回はこれが僕たちにできるベストの結果でした。
理想としていた順位には届きませんでしたが、 チャンピオンシップにおいて重要なポイントを確実に獲得することができたと思います。
前を追いかけ続けるモチベーションにもなります。
次戦のボルドール24時間レースは、 ランキング上位との差も僅かであり、 シリーズタイトル獲得を狙える位置にいます。
トップとのポイント差も小さいので、 チームとともにしっかり準備を整えて、 最終戦では最大限のパフォーマンスを発揮できるよう取り組んでいきます。
応援ありがとうございました!またボルドールでお会いしましょう!!
グレゴリー ルブラン選手コメント
今回の鈴鹿8耐では8位でフィニッシュすることができました。
トップ5〜トップ10以内を目標にしていた中で、 この結果はチームにとってもチャンピオンシップにとってもポジティブなものだと感じています。
現在、 ランキング首位との差はわずか5ポイント。
最終戦のボルドールでは、 タイトルをかけた大きな戦いになることは間違いありません。
チーム一丸となって目標に集中し、 強い気持ちでボルドールに臨みます。
そして、 私自身もチームメイトたちと共に、 ベストな結果を目指して全力を尽くします。
カワサキファンの皆さん、 そして鈴鹿で応援してくださったすべての方々に心から感謝しています。
ありがとうございました!また来年、 鈴鹿でお会いしましょう!
鶴田竜二 チームマネージャー コメント
今回、 チームは8位で完走することができました。
レース中は燃費を稼ぎながら8スティントでの完走を目指して順調に走行を重ねていましたが黄旗区間での追い越しによりライダーに10秒のストップ&ゴーペナルティが科されてしまいました。
それ以外には大きなトラブルもなく展開できていただけに、 このタイムロスは非常に悔やまれるものでした。
しかし、 気温が40度近くまで上昇する過酷なコンディションの中で、 ライダーたちはそれぞれ高い集中力を保ち、 チームと一丸となって最後までしっかりと戦い抜いてくれました。
思い返せば昨年は、 決勝日のウォームアップ走行中にグレゴリー選手が転倒し、 負傷により出走が叶わず、 残された2 名でのスタートとなりました。
さらに、 ロマン選手も第2スティント中に熱中症で転倒し、 走行続行が不可能となり、チームとして完走を果たせないという苦い経験をしました。
それだけに、 今回はその二人が揃ってレースを走り切り、 見事なパフォーマンスを見せてくれたことは、 大きな意味があると感じています。
また、 今シーズンから新たに加わったマイク選手も、 チームのベストラップを更新する走りで、 非常に安定したアベレージを刻みながらレースを通して大きく貢献してくれました。
3名全員が素晴らしい仕事をしてくれたと思います。
この結果により、 EWCシリーズランキングでもトップとの差は5ポイントにまで縮まり、 最終戦ボルドールでのタイトル獲得が現実味を帯びてきました。
次戦に向けて、 さらに結束を強めて臨んでまいります。
最後に、 我々を支えてくださっているカワサキ様、 ブリヂストン様をはじめとするスポンサーの皆様、 関係者の皆様、そして応援してくださるファンの皆様に、 心より御礼申し上げます。
引き続き、 温かいご声援をよろしくお願いいたします。
Here is the English version of the race report⇩
SUZUKA 8HRS ENDURANCE ROAD RACE RESULT & REPORT_compressed