2024 FIM ENDURANCE WORLD CHAMPIONSHIPボルドール24時間耐久ロードレース 結果報告
12 日、13 日/ 予選
新たにダビド チェカ選手を起用し挑んだ 最終戦 ボルドール24 時間耐久ロードレース。
事前のプレテストからマシンセッティング、フィーリング共に良い感触を得ており、今回急遽参戦となった
ダビド選手もすぐにチームに馴染み、良い雰囲気でレースウィークが進んでいく。
1回目予選日、サーキットは風速45km/h と激しい風が吹き荒れる難しいコンディションの中始まった。
ライダーブルー クリスチャン選手の予選は、計測3周目で自己ベストタイム、レースウィークベストタイム
1 分53 秒911 を叩き出し 6 位につける。
続くライダーイエロー ロマン選手、前戦鈴鹿8 時間耐久ロードレースでの悔しい思いを晴らすべく、計測
2 周目で自己ベストタイム1 分54 秒065 を記録しグループ2 位につける。
その後もタイムアタックを試み、4 位で予選を終える。
ライダーレッド ダビド選手の予選は、他のライダーがアタックに使用したユーズドタイヤで決勝を想定した
走り込みに時間を使う予選となった。
テストからの合流にも関わらず、マシンにすぐに順応したダビド選手は1 分56 秒038 で予選を終えた。
1 回目予選終了時点で5位に着けるTeam KWT は決勝レースを見据え、さらに良いポジションを目指し
2 回目予選へと臨む。
クリスチャン選手の2 回目予選は記録更新のため果敢にアタックし、さらに自己ベストタイムを更新し
1 分53 秒783 にタイムを塗り替え予選を終了する。
続くロマン選手は、1 回目予選同様に計測2 周目で2 番手につけるもすぐに赤旗中断となってしまい
記録更新は難しくそのまま予選を終えた。
クリスチャン選手とロマン選手の合算タイムにより、決勝は8 番グリッドからスタートすることとなった。
14 日/ 決勝レース
予選日とは裏腹に風は落ち着き、過ごしやすい気温の中決勝レースを迎えることに。
Team KWT は8 番グリッドからのスタートとなったものの、上位陣とのタイムは
拮抗しており充分に優勝も狙える、かつライダーとマシンの調子も良く、大きな期待を胸に決勝レースへ臨んだ。
スターティングライダーを担うのはクリスチャン ガマリノ選手。
8 番グリッドから飛び出したクリスチャン選手は順位を一つあげ、7 位で
ホームストレートに戻ってくる。
その後も順調に周回を重ね、燃費が優れているTeam KWT は粘り強く走行し、
上位陣では一番多い27Lap 目に1 位でピットインし、ライダーイエロー ロマン選手へバトンを繋ぐ。
10 位でコースに戻ったロマン選手は、安定した走りでみるみる内に順位をあげていき、序盤はタイヤの選定が合わずやや出遅れたものの見事に取り戻し3 位でピットイン。
ダビド選手にライダーチェンジし、5 位をキープしながら順調にレースを繰り広げていく。
レース開始から3 時間が経過し、3 位争いに加わろうとしていたタイミングで
クリスチャン選手がマシンに違和感を感じ緊急ピットイン。
メカニックが懸命に修復を試みるも、マシンに致命的なトラブルが発生して
いることが発覚する。
チームはこのまま走行を続けることが不可能だと判断し現地時間18 時25 分に
リタイヤすることを決断する。
Team Kawaki Webike Trickstar が結成され、2 年目を迎えてチームの真価が
問われる今シーズン、布陣を入れ替え何としてでも結果を残すべく挑んだ
このボルドール24 時間耐久ロードレース。
レースウィークの流れはとても順調で、これまでにない程マシンセッティング、
ライダーの調子も良く表彰台に手が届くビジョンが鮮明に見えていただけに、
とても悔やまれる結果で2024FIM 世界耐久選手権シリーズの幕を閉じました。
二度と同じトラブルが起こらないよう、チームは原因究明し抜本的な対策を施し
戻ってくることを約束します。
#11 Kawasaki Webike Trickstar に希望を持つ沢山の人の想いを胸に、さらに強くなり来シーズンへ挑みます。
クリスチャン ガマリーノ選手コメント
マシントラブルによりとても早いうちにレースから離脱してしまうことになり、本当に残念でなりません。
耐久レースはこういうものだと分かってはいるのですが、自分たちのチームは絶対に完走できると信じてスタートするので、問題に直面するとやりきれない思いです。
完走できていれば表彰台獲得も可能だったと思うので、早期戦線離脱は悔しさしかないです。
シーズン開幕からマシンもライダーもパフォーマンスは確実に上がっていましたしチームワークも良かったのですが、残念ながら今年は運を味方につけることができなかったようです。
開幕戦ルマン24 時間レースの4 位がベストリザルトとなりましたが、チームもライダーもまだまだ強くなれると信じています。来年はさらに強くなって戻ってきたいと思います。
ロマン ラモス 選手コメント
こんな形で最終戦を終えることになってしまい、チームメイト、スタッフ、応援してくれている皆さんに申し訳ない気持ちでいっぱいですし、
自分自身もとても辛い思いです。
しかし今年世界耐久選手権にフル参戦したことで耐久レースのことを深く知ることができ、そして素晴らしいチームメイトやKWT のスタッフと一緒に仕事できたことは自分にとっての宝だと思っています。
KWT チームとの仕事は本当に楽しかったですし、皆に心からお礼を言いたいです。
この素晴らしいチームやカワサキ、ウェビック、トリックスター、そして関わっていただいた全ての皆さんのサポートに感謝していますし、来年再びこの仲間達と一緒に戦えることを願っています。
ダビド チェカ 選手コメント
まず初めに自分をこのチームに迎え入れてくれたカワサキ、ウェビック、トリックスターの皆さんに心からお礼を言いたいです。
多くの優秀なライダーがいる中で自分を選択してくれたことに心から感謝しています。
テストからマシンのパフォーマンスも良く、また他車と比較して燃費も良かったし、ライダー達も皆好調だったので完走できていれば表彰台獲得も可能だったでしょう。足りなかったのは運だけで、本当に悔しい気持ちです。
自分はこのチームを表彰台に立たせるために貢献できることを願っていましたし、そのためにベストを尽くそうと気合を入れてこの場にやってきたので、チームの力になれるチャンスすらなかったことが悔しいです。チームの来シーズンの活躍を心より願っています。
鶴田竜二 チームマネージャー コメント
最終戦を良い結果で締め括る事が出来ずとても悔しく、とても残念です。
応援いただいている皆様の期待に沿える結果を残せず大変申し訳なく思っています。
マシントラブルを起こすまで、3 人のライダーは速いペースで高いパフォーマンスを発揮してくれていました。
クリスチャン選手はチームの最速のタイムを記録し、チームを引っ張る形で活躍してくれ、ラモス選手は初めてのコースにも関わらずクリスチャン選手に迫るタイムでコンスタントにラップを刻みトップライダー達に肩を並べる良いライディングをしてくれました。
前回鈴鹿で負傷したグレゴリー選手に代わり参戦したダビド チェカ選手は急遽参戦する事になりましたが、これまでの輝かしい経験から安定したペースで確実に周回を重ねてくれチームに大いに貢献してくれました。
クルー達は素早くミスのないピットワークをしてくれて常に頼もしい作業をしてくれました。
素晴らしいライダー達、優秀なクルー達と一丸となって優勝を目指し取り組みましたがそれが出来ず今回はとても悔しくて残念な結果になってしまいました。
しかし我々は歩みを止めず前へ進み続けます。
今回は叶わなかったですが勝利に向けまた準備を進めて行きます。
最後に今回のレースにご支援を頂いた各スポンサー様、ご協力いただきました各関係者様、いつも熱い応援を頂いているファンの皆様ありがとうございました。